モラハラ夫との離婚協議を進める際のポイント

モラハラ夫と離婚したいという場合、他の離婚と比べた場合の特徴があります。

また、モラハラ夫は、社会的に地位が高く、頭も良く、周りからの評価も高いことが多くあります。

モラハラ夫と離婚するためには、根気強く、粘り強く、協議等を進めていくことが重要となります。

特に次の点が重要です。

 

①別居する

モラハラ夫と同居をしていると、いつでも責め立てられ、自分が悪かったような錯覚に追い込まれてしまいます。

何より精神的に参っており、正常な判断ができないということもあります。

このような観点から、まずは別居に踏み切ることが大切です。

モラハラ夫は、妻が悪い、離婚したいと言い出す妻は身勝手である、離婚には応じないと主張し続けてくることもあります。

 

②別居する前に…

別居は急ぐべきことが多いですが、一点、大切なことがあります。

別居に踏み切った場合、自宅に戻ることは困難となることが多いでしょう。戻ることができなくなった自宅に、証拠があるなどということでは、もはや証拠を入手することはできないといっても過言ではないと思います。

ですから、別居する前に、証拠を保管する、あるいは証拠を持ち出すなどすると良いでしょう。

他にも、夫の財産資料をコピーする、子どもや学校への説明、協力者の確保などが重要となります。

 

③早めに婚姻費用を請求する

別居が実現できたとしても、生活をしていくためには、お金が必要です。

夫に生活費を請求した場合でもすぐに支払ってくれるとは限りません。

勝手に妻が出て行ったのだから、生活費など支払わないと言う夫も多いです。

このような場合には、早めに、婚姻費用を請求すると良いです。

生活費は婚姻費用と言って、裁判所で相場が決まっています。

婚姻費用だけを求める調停もあります。

 

④感情に流されない

モラハラ夫に離婚を突きつけると、反対されることが多くあります。

泣きついてくることも多いです。

ですが、感情に流されるべきではありません。

ご自身がどうして離婚したいと強く考えるに至ったのか、もう一度、よく思い出してみると良いでしょう。

 

⑤親権や面会交流等

別居の後、モラハラ夫は、子どもを連れ去った(あるいは誘拐したなどと主張し始めることもあります)、子どもと面会交流させるよう強く迫ってくる、ひいては親権を主張して譲らない、などといった事態に至ることがあります。

こういった事態に対しては、慎重に、検討して対応していく必要があります。

 

⑥養育費

モラハラ夫は高収入であることが多く、その分、養育費の金額も高額になることがあります。

また、支払いの終期(いつまで養育費を支払ってもらうか)についても、大学卒業までなど、長期になることがあります。

したがって、養育費も安易に決めるべきではありませんし、支払いが確実なものとなるよう調停で合意するなどをお勧めします。養育費を調停で決めた場合、夫が養育費を支払わなくなった際に、夫の給与を差し押さえることなどが可能となります。

 

⑦財産分与

同じく、モラハラ夫が高収入である場合、財産分与の金額も高額となります。

財産分与をする際は、モラハラ夫の資産や財産を把握する必要があるわけですが、モラハラ夫の傾向として、自身の資産や財産を隠そうとすることがあります。

別居する前に、モラハラ夫の資産や財産を把握しておくと良いでしょう。

弁護士に依頼すると、モラハラ夫の財産を調査できることもありますから、ぜひ弁護士にご相談ください。

なお、すでに支給された退職金はもちろんですが、将来支給される予定の退職金等も財産分与の対象とされることが多くあります。

 

⑧慰謝料

モラハラを理由に慰謝料請求することも可能です。

ただし、嫌がらせといった程度では慰謝料請求は認められないことが多く、その態様が極めて悪質であったりすることが要求されます。

また、モラハラ夫が自身のモラハラを認めることは想定されにくいですから、モラハラに関する証拠を集めておき、保存しておくことも重要な視点となります。

なお、モラハラによる慰謝料請求が認められた場合でも、その金額としては100万円から200万円程度です。慰謝料請求よりも、財産分与に注力したほうが良いケースもあるでしょう。

 

⑨年金分割

年金分割とは、簡単に言うと、婚姻期間中に厚生年金を分けてもらう手続です。

もし貴方が専業主婦で、ご高齢の場合には、年金分割の必要性は極めて高いものとなります。小さな論点などと思わずに、忘れずに、確実に、手続しましょう。

 

 

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