40代の女性に向けて

離婚と言っても、ご年代によって、離婚のお悩みの内容、検討すべき事項、ポイントは違ってきます。ここでは、40代の女性に向けたご説明をさせていただきます。

 

40代の女性が離婚に悩む際、離婚後の生活、具体的には、お子さんのこと、お仕事や今後の人生設計など、考えなければならないポイントはたくさんあります。

40代の女性が離婚を検討する場合、次のような理由が多くあります。

 

性格や生活の不一致

40代になってくると、多くの夫婦が一定期間の婚姻関係を経過していると思います。
結婚生活が長期化してくると、夫の性格や生活の違いから、離婚を検討する方がいらっしゃいます。あるいは、お子さんがある程度大きくなったり、親の介護などが必要になったりして、生活環境が大きく変化し、離婚を検討する方もいらっしゃいます。

 

モラハラやDV

30代は我慢していたものの、40代になり、いよいよ夫からのモラハラやDVに耐えられなくなり、離婚をお考えになる方もいらっしゃいます。最近ではモラハラを訴える方が増えています。モラハラ夫の特徴や傾向としては、高学歴であったり高収入の夫に多いように感じています。

人生のターニングポイント

40代も後半になってくると、人生のターニングポイントともいえる時期に至り、お子さんが自立し、離婚をお考えになる女性が多いように思います。

離婚できるのか、お悩みの方へ

　離婚するためには、原則として、離婚の同意が必要となります。
　離婚の同意が得られない場合であっても、裁判所が認める離婚原因があれば、離婚を成立させることはできます。
　典型例は、不貞、DV、長期の別居といったところですが、最近ではモラハラによる離婚のケースも増えています。

 

40代の女性が離婚を考える際のポイント

お子さんのこと

40代の女性の場合、お子さんがある程度大きくなっていることが多いかと思います。
とはいえ、未成年であれば、親権者を決めなければ、離婚することはできません。
親権者のポイントは、同居時にどれだけお子さんの面倒を見ていたかという点と、別居した場合にもお子さんを監護しているかという点にあります。最近では、父親が親権を強く希望するケースも増えていますから、慎重な判断と行動をする必要があります。

養育費

さほど長期間ではないかもしれませんが、お子さんの養育費は重要です。お子さんが大きいと、高い学費がかかったりしますから、学費を含めて養育費を検討する必要があります。夫から、何となく支払える金額を提示されたとしても、そのまま受け入れるべきではありません。双方の収入を基礎にした裁判所の「算定表」というものを基準にすることが多いですから、必ずお調べになってください。

面会交流

　離婚後に、父親とお子さんをどのように面会させていくかというのが、面会交流です。
　お子さんが大きいのであれば、お子さんの意思を尊重すべきでしょう。一つの目安は高校生くらいです。母親としては、あくまでお子さんの幸せを第一にお考えになると良いと思います。

財産分与

財産分与といっても、何をどのように考えて、財産を分けてもらえば良いのか分からないということも多いと思います。
財産分与というのは、別居の時を基準として、別居時の財産を、別居時の金額で、夫婦の財産を計算します。

ですから、夫の財産がどこにあるのか分からないなどといったことにならないよう、きちんと把握しておくことが重要です。ご自身が知らなかった、夫の預貯金や保険などがないか確認しておきましょう。保険は、解約しなくても、解約返戻金があるものは解約返戻金相当額が財産分与の対象に入ります。また、夫の退職金も財産分与の対象になることが多いです。

　なお、自宅を購入していて、多額の住宅ローンが残っている場合には、夫婦の財産がトータルでマイナスになってしまっていることがあり、そのような場合には財産分与が発生しないということもありますから、注意しましょう。

慰謝料

　不貞やDVが典型例ですが、最近ではモラハラを理由とした慰謝料請求をすることも増えてきています。

４　最後に

　ここでご説明させていただいた事柄は、離婚を検討する際のほんの一部のご紹介にとどまります。
　いま現在、離婚条件でもめているという40代の女性はもちろんのこと、これから離婚を検討したいという方も、自分が離婚した場合に、どのような条件が適切であり、どのくらいの金銭を支払ってもらえるのかなど、お気軽にご相談ください。